2017年すべりこみ

2017年、ブログを3回しか更新していなくて驚いたのですべりこみで書いてます。

 

今年は、転職を現実的に考えたり、お金のことを考え直して家計簿をしっかりつけたり、節約のためにお弁当作りを頑張ったり。頑張っている人に比べたらなんてことのないちっっさい変化なんですが、自分で自分のことを褒めていかないことにはしんどくてやってけないんでね。

反省と、軽く2018年の目標も絡めて。

転職に関しては結局次年度も続けることになったので、次の一年本気で転職活動をする。やるべきことをしっかり納めてから仕事やめる。

お金に関してはNISAなんかを検討もしたのだけど投資に回すほどの余剰資金もないので、まずは目標額までこつこつ貯金。家計簿も継続して、お金の使い方の癖を把握。欲しいものが出来たらとりあえずリストにして見える化・物欲管理。よく考えてから買う癖をつける。自分で作れるもの・出来ることはなるだけ自分で。

お弁当に関しては、もっとレシピのレパートリーを増やす。たんぱく質は肉、野菜は根菜がつい多くなりがちなので、魚や葉物野菜、あとはきのこ類・豆類を増やす。日曜日に作り置きしておいて6時に家を出る日もちゃんと弁当持参出来ていたところは我ながら偉いので継続。

 

あとずっとやってみたかったやつ。2017年好きだった本、映画、音楽を羅列します!!!(2017年発売・公開の作品に限りません。)

【本】『勝手にふるえてろ』『かわいそうだね?』

綿矢りさ熱が再燃した年だった。『勝手にふるえてろ』映画化おめでとうございます!まさかまさかの大好きな松岡茉優ちゃんが主演。キャスティングした人、分かってる。余談ですが彼女の魅力が詰まりに詰まった名ドラマ“その「おこだわり」、私にもくれよ‼”は必見です。松江哲明監督と山下敦弘監督のモキュメンタリーは今年も絶好調でしたね。年始の『山田孝之のカンヌ映画祭』ぶっ飛んでました。エンディング曲にはスカートの楽曲「ランプトン」が使用されて、スカートはその後ポニーキャニオンよりメジャーデビュー。5年前に今はないお台場のカルカル(現在は渋谷)なんかにライブを観に行った頃が懐かしい。もっともっと有名になって欲しいような淋しいような気持ちです。あっ、本からドラマ、ドラマから音楽の話になってた…。

本ではやっぱりどうしても女性作家さんの方が鋭くて好きで、その他は山内マリコさんや松田青子さんなんかを読んでました。最近の作家さんは皆さん美人さん揃いですね。

 

【映画】

2017年べストを決められるほどの本数を全然観ていないのだけど、圧倒的第一位はどうしても『ラ・ラ・ランド』になってしまうんでしょうね。初見で悲しすぎて切なすぎて呆然、2回目の鑑賞では開始10秒でぼろ泣き、大好き過ぎてブルーレイ購入、サントラは1年を通してずっと聴いていました。『Another Day of Sun』、『Someone In the Crowd』、2人Ver.の『City of Stars』何回再生したかな。デイミアン・チャゼル監督のことを考えただけで涙が出そうなぐらい。この作品を生み出してくれてありがとう

同率一位くらいに好きだったのがウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』。もうこれはね、ウディ・アレンラ・ラ・ランドとしか言いようがないですよ。ちょっと大人の余裕のある現実的なララランドとでも言おうか。クライマックスでのジェシー・アイゼンバーグクリステン・スチュワートの表情を観るだけでもこの映画を観る価値があると思う。誰の心にもずっと忘れられない大切な人が死ぬまで居るのだろうなと思うと切ない気持ちにもなるけれど自分だって恐らくそう。過去に出会った人たちがいるから現在の自分がいる、あなたも私も、過去のあらゆる出来事と人物に構成されているのだと思い知らされる。

割と年の終わりに観て大感動したのは『ブレードランナー2049』。暗い。暗いんだけど圧倒的に痛いくらい“生”のメッセージに溢れていた。もののけ姫並みに「生きろ。」って言ってくる映画だった。そして尋常じゃないくらいの映像と音の美しさ、ガジェットの楽しさ。雨粒の落ちる音を聴きにだけでももう一度映画館へ行きたいと思ったくらい。それからコケティッシュダブルヒロイン!美しいことこの上なかった。そろそろ、ライアン・ゴズリングが大好きな人とめちゃハッピーになる作品を誰か作ってください。宜しくお願いします。

『ベイビードライバー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』『メッセージ』『美女と野獣』も良かったです。

 

【音楽】

2017年何回も何回も何回も聴いた曲たち

柴田聡子「後悔」「遊んで暮らして」「あなたはあなた」

スカート「ランプトン」「静かな夜がいい」

平賀さち枝「10月のひと」「Lovin' you」

東郷清丸「ロードムービー

小沢健二SEKAI NO OWARI「フクロウの声が聞こえる」

CHAI「ほれちゃった」「sayonara complex」

カネコアヤノ「さよーならあなた」「とがる」「天使とスーパーカー

吉澤嘉代子「残ってる」

細野晴臣 feat.青葉市子「悲しみのラッキースター

Doughnuts Hole「おとなの掟」

堪らない気持ちになる曲しかなかったです。

 

ウィーンフィルニューイヤーコンサートで若き天才マエストロ、グスターボ・ドゥダメルの存在を知ってクラシック沼にはまった一年でもあった。懐かし!死ぬまでにどうにかニューイヤーコンサートに行くことが夢です。

 

あっあと【美容】部門!

基本的に食べ物も化粧品もシャンプーやせっけん類も合成的な匂いの強いものが好きでないため香水もなかなか好きなものに出会えていなかったのだけど、2017年は運命の香水に出会えて嬉しかった。

カルトゥージア「メディテラネオ」

ダウンパフューム「フォーミュラX」

香りを纏える日が来るとは。

 

 

2017年…古くからの友人が結婚したり結婚に向けて同棲を始めたり恋人が出来たり、みんながみんな幸せそうで泣きそうな気持ちになることもあったけど、私は私以下でも以上でもないのだから欲張らず、かといって必要以上に自己評価を下げずに2018年も生きます。2018年もよろしくお願いいたします。

2017

今年のお正月ほどお正月感のない年も珍しかった。

昨年から溜め続けていた仕事のせい。あー、なんて自業自得。

 と、年始からくさくさとしていて、2017年の目標なんて特にないと投げやりになっていたけれど、昨日いくことができた初詣でやっと少し気持ちが新年仕様に切り替えられた感じ。降り立ったことのない駅でお店を見たりお茶をできたのもよかった。

割と思考がクリアーで感情もフラットである今のうちに折角だから、

2017年こうありたいなというのをつらつらと羅列。

 

  • こだわりのない買い物をしない。

心はあまり動かないけれど…人気があるから、安いから、手軽だから、無難だから、という理由で2016年は物を買いすぎてしまったので。心がちゃんと動いたものに、熟考してから、正統にお金を使いたい。本当に好きなものに出会えるまでを焦らない。

 

  • 自分がどうありたいかどうなりたいか。

自分が、というのが重要で、もっと自分の心の動くままに好きな化粧をして好きな洋服を着て好きなことをしたい。のだけれどあまりに周囲に流されるままに居たらその「好き」すらもよくわからなくなってしまい今一生懸命に心が動くものを求めてさまよっているところ。どの方向性どのカテゴリの人間になるのか、ということ。メイクも服装も趣味も、色々と過渡期だと感じるので方向性をちゃんと決めときたい。

 

  • 自分の肌や心をいたわる気持ち。

疲れて投げやりな気持ちで生活をしない。自分の事もいたわれないのに他人を思いやる気持ちなんて持てないと思うので。

 

  • 自分がされて嬉しいことを人にもする。嫌なことはしない。

感謝の気持ちはすぐ素直に伝えるとか、小さなプレゼントをするとか、言葉に出してちゃんと褒めるとか。(これ、幼稚園生だったときの教え…。)

 

  • 不機嫌を顔や態度に出さない。

周りの人の心も自分の心も不穏になるだけで、よいことがないから。去年は一段と、混んだ電車に乗ることや人混みにいくことがストレスで、気がつくと眉間にしわを思い切り寄せていたので。仕事でも上手くいかない時に態度に出さない。苛立つ環境、上手くゆかないときこそ微笑みを絶やさない人は女神の様に映るのでそうありたい。

 

今年のウィーン・フィルニューイヤーコンサートグスターボ・ドゥダメル氏の存在を知ってからクラシックにどはまり。彼が指揮している曲を聞きあさったり、遠い昔に第九の合唱団として一度だけ歌ったときの楽譜を引っ張り出して来たり、大嫌いな通勤電車の中でもクラシックを聞いて心を落ちつけたりしている。2017年もっともっと沢山の曲を知りたい。あと彼がもし来日することになったら死に物狂いでチケットを手に入れる、必ず!

 

  • 人と話す

人に話すことで自分からは生まれなかった考えが生まれたり、自分でも気が付いていなかった思いが出てきたり、感情が整理されたりするので。一人で考えて一人で煮詰めて一人で結論を出して、としすぎない。

 

  • 呼吸をきちんとする。

もっとスピに傾倒していた頃『呼吸の本』や『恋愛呼吸』なんかにはまっていて、まああそこまではいかなくてもいいのだけど、ふと気づくと息を吸いきらず吐ききらずな浅い呼吸になってしまっているので深い呼吸で心もどっしりとさせたい。落ち着け、落ち着け。

 

  • 見通しを持つ

あまりに行き当たりばったりに生きすぎてきたので。年間カレンダーを昨年末に2つも買ったのに、まだ開封すらしていない…これを書いたらすぐに貼って予定を書き入れる。1時間後のこと、明日のこと、1か月後のこと、1年後のこと、具体的な目標を持つ。なんとなく過ぎ去る日々、にしない。

 

  • 身体をあたためる。

真冬でも家の中で裸足で過ごしたり、上半身は肌着を重ねてニットを着て分厚いコートを羽織ってとやっているのに下半身はタイツ一枚、みたいな冷えとりの真逆をいくような生活をしてしまっていたので。冷えとり、というと急にスピな世界に行ってしまうのであまり好きではないのだけど、ライトに取り入れていきたい。あまりに寒さに弱くなってしまい、寒さが原因で予定を取りやめたり物事を楽しめなかったりしたため、反省。

 

  • ネットショッピングしない

2017年はできることならほぼゼロにしたい。ちゃんと現物を見て、納得したものに、定価でもいいからきちんとお金を使いたい。2016年はたくさんネットショッピングしてしまったけども、買う度心のダメージが大きかったので。。

 

  • 人を正しく頼る。

自分一人ではできないのなら、助けが居るのならば、自分から正統に頼る。そうじゃないのに曖昧にして助けてもらおうと思わない。ずるくならない。

 

  • 潤い。油分を恐れない気持ち。

肌にも身体にも油分不足を感じるので。肌には取り急ぎブースターとしのスウィートアーモンドオイルを取り入れてみている。オイルの種類は豊富なので、肌に合うもの好みのもの季節にあったものをその時々で使い分けていけるように。身体へは、オメガ3を積極的に入れる。魚嫌いを克服していきつつ無理せずオイルそのものからも摂ろう。

 

  • 心と身体の疲労バランス。

仕事で、体力面で疲れるようなことはそんなにないはずなのに1日の終わり心が疲れ切って気絶したように眠ることが多いのだけど、身体を動かしていないのに心だけそんなに疲れてしまうのってとても不自然で身体にもよくないと思うので。1週間のトータルバランスくらいでいいから、身体もちゃんと動かしてちゃんと疲れるようにしたいな。

 

  • 嫉妬と憧れ。

似て非なるもの。自分の力ではどうにもならないことにいつまでも執着をして妬まない。妬んでいる時の自分の醜い姿を常に自覚する。正面からいっぱい憧れていっぱい真似をして何でも取り入れる、努力する。

 

  • 自分と人に嘘をつかない。本音。

無意識のうちに、相手が自分に求めているものをせっせと用意してしまう。自分で選択したものじゃないから納得もしていないし責任を持てないし人のせいにしたくなる。ぶつかりそうでも、本音。自分の本当に進みたい方向、したいこと。

 

  • 物質にまみれない、執着しない

生きれば生きる程身の回りに物質が溢れかえってしまい、時折大がかりな片付けをするとその多さに本当に参ってしまう。不安な心が物質を持つことで安心する(つまりなかば買い物中毒のような)状態から脱したい。不要なもの終わったものには毅然とした態度でお別れ。

 

  • デパコス慣れ

デパートコスメを買えるようになったのもここ1年くらいのことなのだけど、気になるものがあってもカウンターに出向いてタッチアップをしてもらうのにはまだまだ勇気が要る。半セルフで、複数のブランドをいちどきに見ることができて、総合的に対応をしてもらえるイセタンミラーのようなところが自分には向いているなと思ったので、そこで慣れていくこと。

 

  • 適度適量限度

「どこまで」というのをきちんと決めておく。何にいくらまでなら出せるとか、何時までに帰るとか、どれくらい食べるとか。

 

  • 惰性禁止

あまり気に入っていない服だけど着れないこともないし、とか、あまり好きな人ではないけれどわるい人ではないし、とか惰性で何かを続けない。自分にも人にも物にもきちんと自分の意思を示して誠意を持って。

 

どれも少しずつ関係があって、繋がってる感じだ。

なんて小さくて、人間として基本的なことばかりなんだろう…

と思う気持ちもあるけれど、これがわたしの目標!と胸を張ろう。

初詣でもお祈りしたけども、とにかく平和で平穏な一年であることを願うばかり。

良い年になるとよいですね…!

今年もよろしくお願いいたします。


Richard Wagner - Der Ring des Nibelungen & Tristan und Isolde Highlights | Gustavo Dudamel

神様みたいなふたり

先日、前野健太さんと青葉市子さんのツーマンライブを観に行ったときの話。とてもショッキングかつ感動的な出来事があって今でも思い出してしまうので書きます。ライブの内容そのものは言うまでもなく素晴らしかったので割愛。

 

ライブ会場には赤ちゃん連れのお母さんがひとり。小さなライブハウスは満員でぎゅうぎゅう、その上スタンディング(オールスタンディングではない)、お母さんも赤ちゃんも大変だったのではと想像します。

 

ライブは青葉さんソロ→前野さんソロ→最後に2人で、という流れで行われ、前野さんのライブの中盤あたりから赤ちゃんが時折小さく声を上げたりし始めました。「疲れちゃうよね」といったような気遣いの言葉を掛けたり、「青葉さんのときは泣かなかったのに俺だとだめみたい」とか「君もいつかこんなおっさんになるんだよ」という言葉で笑いに変えたり前野さん、あたたかい対応。

 

前野さんのソロ演奏も終わり、いよいよ前野さんと青葉さんの共演になると、さっきよりも大きめの声を上げ始める赤ちゃん。前野さんに加え、青葉さんからも気の利いたフォローの言葉があり会場はよりあたたかい雰囲気に包まれました。

会場にいる人たちも皆、前野さんや青葉さんと同じ気持ちなのだと思って嬉しくなっていたところへ、突然「一回外出なよ。うるさいよ。」と鋭い男の人の声。バタン、と扉が開いて聞こえなくなった赤ちゃんの声。前野さんも青葉さんも驚いた顔で、でもその人を咎める訳ではなく、「そうかな?」「そうですか?」とつぶやいた後に、「なんか、すみません」とその男の人に謝ります。

次の曲に取り掛かり始めるふたり。不意に、赤ちゃんのあげた声を真似て「ああぁぁ!」と 声を出す青葉さん。それに呼応するように「ああぁぁ!!!」とシャウトする前野さん。

そして始まった曲は『東京の空』。

 曲の間ずっと考えていたことは、今回のことであのお母さんが、こういう場に来ることがこわくなってやめてしまわないかということや、会場にいた人たちはあの男の人と、前野さんや青葉さん、私と、どちらの気持ちだったんだろうということ、男の人がああ言った時「わたしはそうは思ってないです、お母さんと赤ちゃんはここに居続ける権利があります」って言ってあげられれば良かったのにということ、そしてそうやって自分と違う考え方に対してすぐに反発して対抗しようとする自分に比べてどんなに前野さんと青葉さんの対応が素晴らしかったか平和的だったかということ。

 

強い声と言葉に対するショッキングな気持ちと、ふたりの対応に対する感動とが渦巻いて、耳からはあのメロディを歌うふたりの声、涙が止まらなくなってしまった。音楽を聴いて泣いたのはこれが初めてだ。

 

赤ちゃんの泣き声と、歌を歌う人の声、何が違うんだろう。どちらも身体から出てくる声なのに。身体から歌っていたのが前野さんと青葉さんだったから、余計に分からなくなった。

 

わたしだって心に汚い部分もどろどろした部分もたくさんあって、赤ちゃんの泣き声に苛立ってしまうこともあるし、いつだってただ可愛い、と思える訳じゃない。だから前野さんと青葉さんふたりの、正しいとか正しくないとかの外にあったあの対応は、神様みたいに思えました。

 

曲が終わったあと最後に青葉さんが小さく言った「フューチャリング、赤ちゃん」という言葉、あのお母さんと赤ちゃんに届いていたらいいと思った。

 

前野健太の新宿馬房日記@吉祥寺MANDA-LA2 2016/06/09

前野健太さんのライブは仕事終わりに見に行くのが何だかぴったりで好きなんだけど、早めに上がりたいと言っていたら休みを頂いたので余裕を持って開場ちょうど頃にマンダラ2に到着した。既にびっしりの列、チケットも完売御礼。先日のテレビ出演の効果?

 

開演ちょうど頃、サングラスにド派手なシャツ(白地にイカリやロープが描かれている、マリンルックというのか??)で一度登場してすぐに引っ込み、「やっぱこっちだね」とサングラスを普通の眼鏡に変更。ティアドロップ型?十条の眼鏡屋で購入したものでフレームの大きさが自慢らしい。マイルス・デイビスもこんな眼鏡、掛けてませんでした?と。後半に掛けては眼鏡すら外して裸眼で歌っていた。サングラス姿の前野さんを最近あまり見ていないかも。

 

ライブの幕開けを飾った曲は『オレらは肉の歩く朝』。え。仕事に行くのがしんどい時、ここ最近いつも聴いていた曲だ。ライブではあんまり聴くことがない曲だからこそ、このタイミングで聴きたかった曲。嬉しい。一曲目が何の曲かというのはお客さんにとっても前野さんにとってもきっと重要なことなんだと思うけど、この日の自分にとって何か物凄く特別な意味があるように感じてしまった。ご褒美みたいだ。この曲を聴いて仕事頑張りました!!

 

この日のライブでは度々、先日のBS朝日『日本の名曲  人生、歌がある』へ出演した話をしていた。前々からライブでは演歌のカバーなどをすることがあったし、「花のように鳥のように」は音源としてもちゃんと出ているけど、今回の件で演歌方面への意識も更に強くなったようで「演歌界のアイドルが山内惠介なら自分は地下アイドルだ」と言ってみたり、五木ひろしさんと2マンがしてみたいと言ってみたり。番組内で“スーパーエンカ”という新しいジャンルの第一人者(?)とされたことが、彼のハートをこんなに燃やしているらしかった。でも前野さんが言うと全部本当になってしまうような気がするし、聞いている方も笑いながらも冗談だと思っていない節があると思う。「今日は〝ロックの日〟ですけど、私はどんどんロックから遠ざかって行きますんで」と、ロックとも決別の宣言。

演歌より更に先(?)、民謡へも意欲的で、三橋美智也さんの「相馬盆唄」という民謡のカバーもしていた。民謡ハイになった前野さん、「民謡ってラリってますよね?ボブ・ディランなんかも対バンとかしたらびっくりしちゃうと思う」と言いながら、『ジャングルのともだち』の冒頭を民謡アレンジで。そしてもう一度仕切り直して歌った『ジャングルのともだち』が、この日のライブで一番ゾクゾクとした。

ライブハウスを飛び出して全く別の空間へトリップしてしまいそうだった。足の床との接地面がぼんやりとして、宇宙空間に放り出されてしまったかのような、自分が今どこに居るのか分からなくなってしまう不思議な感覚。そしてぼんやりとでも確かに聞こえてくるドラムやベース、あらゆるバックバンドの楽器の音。CDで聴いているだけでは平面としてしか伝わって来なかったこの曲が一気に奥行きを持って、立体の物として体感できた瞬間。ライブの醍醐味はまさにこれだなぁと思う。CDとは全く違ったその曲の一面を見つける。CDとは全く違った文脈が生まれる。そしてそれをまた脳内補完してCDで聴く。初めてその曲との距離が縮まる至福の瞬間。

『ジャングルのともだち』はよく歌詞の意味がわからないと言われる事が多いと前置きをして、「日本って亜熱帯みたいなところがあるじゃないですか。だから、雨が降っても傘ささないで、濡れちゃっても良いじゃん、みたいな曲です。」と曲の解説。「ま、誰にも伝わってないでしょうけどね!いんですよ、それで!」と。日本の大半は気候の区分でいうと温帯湿潤気候という気候みたいだけれど、“亜熱帯”はその区分とはまた別物なので、日本も亜熱帯だという事も出来るらしい。ゲリラ豪雨とか、ムシっとした夏の雨に遭うと凄く納得出来る気がする。

 

もし自分が勤めるとしたら、グンゼギンビスドトールが良いと言っていた。3大好きな会社だって。

 

ライブの題名の「前野健太の新宿馬房日記」。大島渚監督の『新宿泥棒日記』が前野さんはあまり好きではなくて、そこから取ったとのこと。馬房、というのは、新宿にある彼のマンションの一室に馬房のように狭い空間があって、そのことを指しているとか。「競走馬は成績が悪ければ肉にされてしまうのに、人間は食っちゃ寝・食っちゃ寝…恵まれ過ぎてますよね。次のアルバムのタイトル、『人間は恵まれ過ぎている』にしようかな。『オレらは肉の歩く朝』、『今の時代がいちばんいいよ』、『人間は恵まれ過ぎている』って、何かもう、凄いですよね(笑)」と次のアルバムについても触れる。ライブでも新曲が次々と出てくることからも分かるように新曲はかなり溜まっている様で、次は収録する曲を厳選していく作業だと言っていた。というか前のライブでもそういう話で、しばらくライブは無いと思うというようなことを言っていたけど実際は月1くらいのペースでライブが続いているし、今後も8月、9月にもバンド編成でのライブを予定しているとのことだった。ライブがあることもアルバムが出ることもどちらも嬉しい事だから良いんだけど!

 

『 春の夜の夢のごとし』、『天草マンボブギ』と競馬関連の歌で盛り上がり、『レモンハート』や『小町通り22時』などの物凄く渋い新曲や、ライブで演奏するごとに深みが増してゆく『人生って』、曲名通りロマンティックに歌い上げる『ロマンティックにいかせて』(ギターに、音を立ててキスしていた!)などを次々に演奏して、気が付けば早くもアンコール。

 

ちなみに今回のリクエスト大会では、あんまり気分ではない曲や前野さん自身のではない曲がリクエストされたからなのか、華麗に流されたりワンフレーズを軽く歌って終わりのことが多かったです。リクエストされる曲数自体少なめ。その中で『マル・マル・モリ・モリ!』を1フレーズだけカバーしてたんですけど、前野さんが歌うと本当になんでも“泣き”が全開の曲になってしまうから、凄いな、と感動してしまった。それにしても懐かしい曲!

 

アンコールでの早着替えもお決まりになって、若草色とピンクと白のキュートなシャツに着替えた前野さん。リクエストのあった『今の時代がいちばんいいよ』など数曲を歌うと再び例の演歌番組に触れて、また出演がしたいので番組に前野さんについての感想メールを送って欲しいとまさにアイドルみたいに必死にお願いをしていた。また、その流れでゆくゆくは紅白にも出演したいので、youtueに上げられた下ネタな曲とかは消しといて下さい。と言ってからの「これ(アコギに付けられたピックアップのシールド的なもの?)抜きますね?あ、抜くってそっちじゃないですよ」⇨「♪失楽園で抜いてた〜」の、完璧な流れに爆笑の会場。

再び、「聞き逃した曲とか本当にないですか?」とリクエストを募るとLOVE、鴨川、マン・ションなど、出てくる出てくる!自分はというと、言いたい曲があったものの声を上げられず。

ちなみにLOVEは歌われなかったんだけどその理由が「『♪愛なんて〜』も『♪おっさんの愛はなんだった』も同じようなもんですからね!」っていうことで鴨川に集約されたのだった。そんなこと言ったら、ほとんどの曲は同じようなものだと思います。(笑)

 

『100年後』『鴨川』と名曲が続き、ライブも終わりかと思えたところで、「最後の曲はピアノで」と前野さんはステージ上に戻ってきた。(アンコール中、一曲歌うごとに客席の奥の方へと進んでいき最終的にほぼ後ろの辺りまで進んでいたのだ、)

 

わたしはわたしの事  分かっているつもり

わたしはわたしの事  本当はよく知らない

だからあなたにときめいたら迷わずにゆくの

わたしを感じたい  生きているわたし

あなたを感じたい  生きているわたし

わたしを感じたい  生きているわたし

あなたでしか感じることができない

生きているわたし

 

 

最後の最後、ピアノで歌われた曲は『生きている私』だった。ずっとリクエストがしたくて、でも出来なかった曲。その曲が聴けるなんて。

『オレは肉の歩く朝』に始まって『生きている私』で終わったこのライブ。私の気持ちが届いたかのような気がして、勝手に胸がいっぱいになっていたのでした。

 

(そういえばシネマヴェーラ渋谷にて、『ライブテープ』の上映をしていました。残るは6/15(水)と6/17(金)の2回。ちびまるこちゃんとの2本立て!スクリーンであの奇跡を改めて。)

 

 

◯セットリスト

オレらは肉の歩く朝
あなたの匂いを覚えてしまったから
伊豆の踊子
春の恋(新曲)
花のように鳥のように(カバー)
相馬盆唄(カバー)
ジャングルのともだち
春の夜の夢のごとし
天草マンボブギ
レモンハート(新曲)
雨の合コン
野蛮なふりをして
小町通り22時(新曲)
僕のパパは共産党員だった
あんな夏
ばかみたい
ロマンティックにいかせて
人生って
ファックミー
青い部屋
防波堤(新曲)
(アンコール)
今の時代が一番いいよ
SHINJUKU AVENUE
コーヒーブルース
18の夏
東京の空
100年後
鴨川
生きている私

 

雨は雨でなくなって

ここ一年くらいは、波はありつつ、本当に前野健太さんの音楽ばかりを聴いている。
 
『鴨川』という曲。何て素晴らしいのか。


前野健太  鴨川 from 2nd album 「さみしいだけ」

 
前野健太さんといえば代表的な曲は、この『鴨川』や『友達じゃがまんできない』、『東京の空』辺りなのかなと思っていて、それだけじゃなく他にもよい曲が山ほどあるよ、というか良くない曲なんてない、という半ば狂信的なフアンなのだけど、それでもやはり鴨川は素晴らしい。自分の人生にテーマソングを一曲選ぶとしたらこれだと思っている。
MVで踊るこの女性が元セクシー女優さんというところもいい。そしてもっと良いのはこれを撮影した当時はまだ現役のセクシー女優さんで、多分今の自分の年齢と同じくらいというところであり、それから年月が経ってセクシー女優さんを引退して俳優・タレントさんとして活動し、そしてその後芸能活動自体も引退しているというところだ。
雨が川になりやがて海に変化する様を人間の変化になぞらえて描かれた鴨川の歌詞と、長澤つぐみさんの歩んでいった人生が交差して、この曲が何倍にも情感あふれるものになっている。彼女は今どうしているんだろう。ひとつの雨粒として、「長澤つぐみ」として、顔と名前を多くの人に知られ活動をしていた彼女も、今では大きな海の水の一滴となって、社会に溶け込んで穏やかに暮らしているといいなと勝手に思う。
 
セクシー女優、と言う職業に対する世間の捉え方も何だか昔とは変わっているような気がしている。昔はどちらかというと消極的な選択としての職業だと見られていたものが、近年では“積極的な選択”、“強固な意志”、“自信”、“決断”、“誇り”といった前向きなワードで取り巻かれているように思う。特に、自分と同じくらいの年齢の女優さん…湊莉玖さんや上原亜衣さん、松岡ちなさん、市川まさみさん、紗倉まなさんなんかが最盛期で活躍をしていたり引退などの転機を迎えていたりすると、感慨深いというか、本当に色んな苦労や苦悩があったのだろうなとしみじみとしてしまうし、性の対象にされる、女性としての性(さが)を前向きに取って体当たりに強く進む彼女たちを見ているといつも尊敬の念が湧いてくるのだ。ニンフォマニアックを観たときに得た感情に少し近いかも知れない。
 
前野さんに話を戻すと、先日彼がTV出演したときの『花のように鳥のように』の映像が奇跡的にアップされていた。一番を歌い終えて立ち上がり、椅子を蹴ってマイクの位置をぐっと変えるところが素晴らしく格好良くて、録画したものを何度も見ちゃう。ミュージックステーション紅白歌合戦ではなくて、演歌の番組に出演するところが良いし、彼に出演の話を持ち掛けた人は誰なんだろうと凄い気になる。
何を歌っても、〝前野健太の曲〟になる。自分も時々お遊びで好きな曲をカバーしてみたりすることがあるけれど、当たり前だけれど本当にただの「真似っこ」にしかならなくて、元の曲の素晴らしさがあって何とか成り立っている。でも前野さんが歌うと本当に何でも、モー娘。でも大江千里でもAKBでも細川たかしでも、前野健太の曲になってしまう。元の曲を知らなければカバーだとも気が付かないと思う。
以前ライブで歌ってくれた、ちあきなおみさんの『冬隣』がそれはそれは良かったので(女言葉や女の人の歌が前野さんにはよく似合うのだ)、演歌や歌謡曲のカバー集を是非とも出して頂きたいな。お願いしなくても出してくれそうな気配はするけれど。そして新しいアルバムもそろそろかなと、期待しているところ。
 
京都へは幾度が行ったことがあるけど鴨川は行ったことがないので行ってみたい。ゆっくりと散歩とかしたい。京都に限らず、観光地をセカセカと回って疲れる旅行じゃなく、違う土地で日常を送りたいみたいな気持ちがここのところ強いです。
 
 

毎日前野健太さんのことばかり考えてる

早くアルバム出て欲しい
 
ジャズ喫茶のママが言った
「人生って、何だと思う」
僕は考えた
「遊び、ですか?」
ママは言った
「あたし思うの
人生って、〝足掻き〟
70年生きてきて
最近そんなことを思うの」
 
『人生って』
本当に名曲だと思う
 
前に行ったライブのことを書こう書こうと思っていてまだ書けてなかった
 
新年度が不安です

雪解け水が掛かります

まさか本当に降るとは思っていなかった雪が降っていて飛び起きた。5時過ぎに家を出て長靴を履いて駅まで黙々と歩く。楽しい。
 

雪といえばこの曲、と何となく思って前野健太さんの『鴨川』を聴きながらから電車に乗った。

youtu.be

雪の降る東京に前野さんの音楽はとても良く合うなと思ったけど、コンクリートが汗をかく真夏にも、穏やかな春の日にも、どんな景色にも季節にも前野さんの音楽は合う。
というよりも、それぞれの季節に生活に毎日の中に“既に在る”んだよなぁ、合うとかを超えて。とか考えていた。
 
雪がすぐ雨に変わって、積もった雪を溶かしたのと、雪かきをしてくれた区の職員さん?のおかげで帰る頃には嘘みたいに雪がなくなっていた。ちょっと淋しかった。
 
駅のホームで電車が発着するたびに「雪解け水が掛かります、ご注意下さい」と、初めて聴くアナウンスが流れていた。雪解け水という言葉が聞こえて来るなんて、新鮮。

なつかしい痛みだわ

 

いつか観た『台風クラブ』の中の、工藤夕貴さんが物憂げにくちずさむシーンで知ったsweet memories。この歌もこの映画もこのシーンも、一度触れると忘れられないものがある。

最近たまたま、大好きなBeefさんや平賀さち枝さんが歌ってくれていて嬉しかった!好きなアーティストの方が好きな歌をカバーしてくれると何でこんなに嬉しいのかな

https://instagram.com/p/BAOtDSqpgnP/

 

スカートのワンマンライブに行きたくて今日を早番にしてもらっていたのにすっかり忘れてしまった

残念な気持ちで、好きな曲でも貼っておこ!


澤部渡(スカート)- 都市の呪文 @ 熊枠サミットvol.2

 

3連休の予定がなんにも無い

確率の夜、可能性の朝

春みたいな日。駅までの道、いつもは自転車かバスで通り過ぎてしまう道をゆっくり歩いて向かった。暖かかったけど、お気に入りの分厚いコートで。

 

初参りをし、おみくじを引いて、東京タワーに登った。おみくじは大吉だった、でもいつも思うけど、よいのを引いた時ほど書いてある事が意外と厳しい。夜ごはんは新丸ビルで。

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TOKYO STATION HOTELをしばらく眺めてから帰路についた。

 

タイトルの『確率の夜、可能性の朝』は曲名。アナログフィッシュ feat.前野健太。明日から仕事で気分が滅入りそうなので、この曲で元気をだす!同じく憂鬱な人にも聴いて欲しいと思ってYouTubeのリンクを貼ろうと思ったけど、なかったです。。220円で買えるよ!

 

確率の夜、可能性の朝 feat. 前野健太

確率の夜、可能性の朝 feat. 前野健太

 

 

前野健太ライブ - 暮れゆく街の歌が聴こえる

 

2015年の終りかけ12月30日に、前野健太さんの歌を聴きにライブへ出掛けた。

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会場は十条にあるcine cafe soto。営業が29日までだったところを、店主の方のご厚意でこの日のライブが実現したそうで有り難い気持ち。普段カフェではフィルム映画の上映も行っているため、中が喫茶スペースと映画のスペースに分かれていて、ライブは映画の方のスペースで行われた。

 

お馴染みのサングラスとど派手なシャツで登場、綺麗に整えられた髭も決まっている。学生時代にいちどこちらに映画を観に伺ったことがあるけれど、その時とは客席が反対を向いていて、前野さんはちょうど映写機を背にする形だった。「ライブ…始めて良いんですよね?」と控えめに笑いを取ってから、歌を歌う自分と、その歌を聴きに来るお客さん、自分と皆とを繋ぐものは歌だけ、この関係性が不思議だし有り難いと感謝の気持ちを示したかと思えば、このライブのチケットが瞬く間に売れたことに触れて、何の告知もなしにライブをしてみたいとも話していた。

 

今日はやけに曲席との距離を詰めたがっていた前野さん。冒頭で「すごい緊張する」「このくらいの(客席との)距離が一番緊張するんだよね」と言いながら、マイクスタンドと譜面台をじりじりと客席の方へ寄せてからライブは始まった。『僕の父は共産党員だった』から始まったこのライブ、新しい曲も古くからの曲も様々、ちょうどよいバランスで。熱心なフアンの方と違って新曲や未発表曲の情報に疎くて恥ずかしいのだけど、『人生って』という曲(多分)がとても良い。時折更新される彼のブログのようなもので前に書かれていた、ジャズ喫茶の70歳の女マスターとの“人生ってなんだと思う”という会話が歌になっている曲。人生は、「あがき」、その言葉の強烈な熱さと重みに圧倒されそうになる。自分の10年後、20年後、30年後を思う。「アート・ブレイキー」忘れらんない

すばるの原稿を送った。
Wi-Fi飛んでるジャズ喫茶。
70の女の人に恋してる
カッコいいんだ
熟女好きとかそういう言葉じゃない
あの方は俺より若いんだ
人生ってなんだと思う 前野さん

あそび ですかね

私は あがき だと思うの

この会話で分かるでしょう
俺よりも若いんだ
心がぶるっと震えたよ

11/19
ジャズ喫茶より

 

恒例のリクエスト大会ではリクエストされたほとんどの曲を、1フレーズだけのものもありながら歌ってくれていた。いつもなかなか出来ずにいたけれど思い切って新しいアルバムの中から1曲リクエストをして、忘れられてしまったかなと諦めかけていたら「後でちゃんとやりますからね」と1曲丸々、熱く歌ってくれたことに嬉しく思った。素晴らしい演奏は、歌を超えた何かだった。自分が今歌を聴いているのか何なのか分からなくなってしまった。高い建物が立ち並ぶ東京の街を職場へ急ぎながら、「ビルの影に隠れても 歌はこだましてるよ」というフレーズを思い出すと涙が出そうになる。

 

『TOKYO STATION HOTEL』を歌う前に、曲名に関連してお店の情報をひとつ、前野さんが教えてくれた。前野さんの背後にあった立派なスタンドランプ(?)は、旧東京ステーションホテル建て替えの際に出たものなのだそう。またバーカウンターに至っては丸ごと移築されたらしく、なるほど、だからカウンターの鏡には“Oak”の文字があったのか!と驚き。

 

音作りに色々試行錯誤していて、ギターのピックアップを切ってボーカルマイクを通して音を出したりしていた。サウンドホールをマイクに近づけて弾くので自然とクラシックギターを弾く時のようなスタイルに、その状態で、リクエストの曲など数曲。

 

後半では更に距離を詰め、客席の目の前まで来て歌ってくれた。最前列に座っていたので、ネックが頭にぶつかるのではとハラハラする程!ギターのシールドを抜いて、ボーカルマイクもなしの生歌。『18の夏…』など。18の夏を歌い終えると、「川島なお美さん、ありがとう」と、ボソッと。

 

アンコールでは、猫ちゃん模様のシャツに早着替えして現れた。ノリノリだな。ライブの終盤、歌詞を変えて歌われる『100年後』。あってよかった。「2115年12月30日 JR 十条駅からすぐ 、階段ことことことこと降りた所にある cine cafe sotoで 待ち合わせ」。イヤホンでひとり聴いているときはファンタジーの様に響くこの曲を、生で、大勢の人がいる場所で聴くと一気に現実味と緊張感を帯びた曲に感じられる。100年後。会場にいるすべての人が100年後には恐らく誰一人生きてはいない。この場所だって100年後にはないかも知れない。誰も、そのことについての驚きや不思議を改めて口に出すことはないけれど皆、同じ気持ちを抱きながらこの曲を聴いているのだと勝手に思っている。今ここに居る全員が再びこの場所に揃うことは無いけれど、でも確かに今共有しているこの時間。何とも言いようのない切なさが込み上げて、でもそこに感傷はない。何か、永遠みたい。100年後も、生の歌声を聴きに人々が集う、そんな風景はあるんだろうか


これはWWWバージョン。

 

アンコール後、最前列のお客さん一人一人と軽い握手を交わして爽やかにはけた後、ダブルアンコール、「さっきの終わり方よかったんだけどなぁ」とぶつぶつ言いながら、更に客席の方へ「もうチューとかしちゃおうかな」と分け入って、空席のあった2列目の客席付近で『天気予報』など。

 

そういえば、来年新たな取り組みがあり、皆さん離れていってしまうかも、これでさようならの人もいるかな、なんて冗談を言っていたけど何が待っているんでしょう。

最も強い者が生き残るのではなく、

最も賢い者が生き延びるのでもない。


唯一生き残ることが出来るのは、

変化できる者である。

前野さんをみていると、何となく、この言葉が思い浮かぶのです

 

 今日のライブは、前野さんの妖艶さや色っぽさよりも、ぱっきりと乾いた明るさの面が際立っていたライブだったように思った。ライブだけじゃなくてアルバム『今の時代がいちばんいいよ』を聴いてもそう感じたから、今日のライブだけがそうだったというよりこれが前野さんの変化そのものなのかも知れない。そして2015年の締めくくりにこのライブに来られたことの意味や必然性を勝手に感じていたり。2015年も、私はどうしようもない人間で、どうしようもない毎日だったけど、今この瞬間がいちばんいいよ、と思いながら毎日生きていきたい、2016年も。2016年はちょっと目標もあるので意識して進んでいけるといい。

普段こういうものを書かないけれどどうしても忘れたくないライブだったので書き留めておきました。

 

 

それぞれの営みを、街を、人生を、毎日を、時代を、静かに激しく肯定してくれる歌と言葉たちを思い返して、ひとり深く感動を噛み締めた、2015年大晦日の早朝なのでした。

 

【不確かなセットリスト】順番も曲名も自信がなく、抜けている曲も多いかも。。

僕の父は共産党員だった
ギターがあれば

虫のようなおっさん

あなたの匂いを覚えてしまったから
新幹線の速さで毎日は
人生って
春の夜の夢のごとし
吾郎
暮れゆく街の歌が聴こえる
とんこつラーメンくさい街(リクエスト)
西港(坂口恭平
東京の空
SHINJUKU AVENUE
花と遊ぶ
青い部屋
love
子どもの日
雨の合コン(リクエスト)
街の灯(リクエスト)
海が見た夢(リクエスト)
プッシーキャット(リクエスト)
ばかみたい(ばかなやつ)(リクエスト)
野蛮なふりをして(リクエスト)
18の夏…
今の時代が一番いいよ
だれかの

TOKYO STATION HOTEL
オレらは肉の歩く朝
豆腐

100年後
天気予報